オリエンタル Oriental
スパイスやバニラ、樹脂が織りなす官能的でエキゾチックな香り。夜やフォーマルに映える。
オリエンタル(Oriental)とは
オリエンタルは、バニラ・樹脂・スパイス・アンバーを主軸とする、温かく官能的な香調である。19世紀末のヨーロッパから見た「東洋」——中東・アジアの神秘的なイメージを香りに翻訳したファンタジー系統で、重厚で残香の長い香水が多い。近年は「アンバリー(Amber)」と呼び分ける分類も広まっている。
歴史・起源
起点は1889年、Guerlainの「Jicky」(Aimé Guerlain調香)に置かれる。1882年のHoubigant「Fougère Royale」がクマリンで開いた合成香料時代を受け継ぎ、バニリンを本格導入した革新作として、続く1925年の「Shalimar」でこのファミリーの完成形が確立された。以後、Guerlainはオリエンタルの代名詞として君臨し続けている。
代表的なノート・構成原料
バニラ、アンバー、ラブダナム、ベンゾインなどの樹脂類が土台となり、シナモン・カルダモン・クローブといったスパイスや、ローズ・ジャスミンなどの重厚な花が織り込まれる。
シーン・イメージ
夜、冬、そして親密な距離感——オリエンタルが最も雄弁になるのはそうした場面である。映画やドラマでは謎めいたヒロイン、あるいは強い引力を持つ人物の香りとして選ばれることが多い。
他ノートとの違い
アンバー系と大きく重なるが、オリエンタルはスパイスや花との複合で「異国情緒」を演出する点が特徴で、アンバー単独よりも構成が多層的である。グルマンとも甘さを共有するが、あちらの主役が「菓子」なら、オリエンタルの主役は「樹脂と香辛料」である。
Tom Ford Black Orchid
ダークでゴージャスなオリエンタル。トリュフやオーキッドが織りなす官能的で謎めいた香り立ち。
Guerlain Shalimar
1925年発表、『史上初のオリエンタル(アンバー)香水』とも呼ばれるジャック・ゲランの傑作。ベルガモットとバニラの官能的な対比は…
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